野菜嫌いなお子さんにオーガニック野菜(有機野菜)をオススメする理由
「子どもが野菜を食べないんですが、どうしたらよいのでしょう?」と質問を受けることがあります。あなたも子どもが野菜を食べないと悩んでいませんか?もしかしたら、飛びっきり美味しい野菜の味を体験したらそれも変わるかもしれませんね。
でも「美味しい」とお母さんが感じているのに、お子さまだけが同じお料理を「嫌」という場合には、子どもの美味しいって?どうしたら良いのか、当然悩みますよね。
お料理の方法やお料理の腕前に左右されず、ある基準で野菜を選ぶことでお子さまの野菜嫌いが解決できる可能性があることをわかりやすく解説します。
「有機JASマーク」がついた野菜とは
ある基準とは「有機JASマーク」がついた野菜かどうかです。まず「有機JASマーク」がついた野菜とは何か?をお話していきます。さて、職業柄、わたしは有機やオーガニックについて下記のような質問をよく受けます。
有機と無農薬はどう違うの?
オーガニックは農薬を使うんですよね?
自然栽培の野菜は買えないのですか?
このような質問をされる方に「有機栽培」「オーガニック」とは何なのかということがまだそこまで認知されていないなぁと感じてしまいます。オーガニックについての正しい知識をお伝えする必要性を感じてしまいます。
オーガニック・有機とは
はじめに「オーガニック」と「有機」という言葉ですが、「有機」を英語ではorganicと言います。つまりオーガニックも有機も同一です。次に、オーガニックとは法的に定められた有機認証制度に則って作られています。
有機認証制度というのがあり、違反すると罰則があり、二度とその土地では有機認証は取れないという取り決めがあります。
これだけ聞くと、「厳しそう」「そこまで足かせをすると農家が大変じゃないか」などの反応をされる方もいらっしゃると思いますが、そもそも有機認証制度というのがどんな背景から作られたのかという事をお伝えさせて頂きますね。
「有機JAS法」が制定される前は
有機認証制度は日本では、2001年に制定されました。その背景には、制定以前の日本には、自称「有機」がはびこっており、あちこちで「うちは有機栽培だよ」と言って販売をしていたのです。ところが、それらの自称「有機」の基準はあいまいで、農薬は使っていないけれど、化学肥料を使っていたとか、農薬も化学肥料も使っていないけれど、除草剤を撒いていたとか、土は有機肥料を使ってつくっているけれど農薬は散布していた、などなど作る人によってまちまちで、消費者は何を基準に農産物を選べばよいか全く分からない状況でした。
このため、消費者が農産物を選ぶものさしとして「有機JAS法」というものが制定されました。
ある基準を設けることで、消費者は安心して農作物を手に入れることができます。また農家も基準を満たすことである評価を得ることができるようになりました。
「有機JAS法」で定められている有機農産物の定義とは
有機JAS法で定められている有機農産物の定義を挙げてみますね。
「農業の自然循環機能の維持増進を図るため、化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として、土壌の性質に由来する農地の生産力(きのこ類の生産にあっては農林産物 に由来する生産力、スプラウト類の生産にあっては種子に由来する生産力を含む。)を発揮させ るとともに、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用したほ場において生産すること。 」
このほか周囲の畑から農薬の飛散がないか、上の田んぼの流し水に農薬が入っていないかなどの確認もされるなど多くの取り決めがあります。
もう少し具体的な基準を言うと、種まき前又は植付け前2年以上(多年生の植物から収穫される農産物にあっては3年以上)前から化学合成の農薬、化学肥料、除草剤などを使わずに生産された農産物です。有機農産物に関しては、遺伝子組み換え資材も使用が認められていません。
本当はその他の細かい取り決めもあるのですが、シンプルにお伝えしてみました。
ちょっと難しいと感じた方も多かったかな~と思いながらも「有機農産物(オーガニック)」は法的な根拠に則って生産されたものということがお伝えしたくて書いてみました。
「有機JAS法」の基準を満たした農産物につけられるマークが、有機JASマークです。
スーパーなどでも時々見かけるようになりましたね。ここまでは、オーガニック野菜(有機野菜)とは何?ということをお伝えしました。
オーガニック野菜はなぜ、子どもの野菜嫌いを遠ざけてくれるのでしょうか?
お子さまの味覚にフォーカスすると、実はお子さまは大人より味覚が敏感なんです。味蕾が発達しており、大人より苦いものを感じやすかったりします。
子どもの時はゴーヤなどが苦手だったのに大人になったら美味しく食べられるようになったとか、子どもの時はコーヒーが苦くて飲めなかったけど大人になったらコーヒー好きになったとか、あるいは子供の時には唐辛子などの辛い物が苦手だったけど大人になったら辛い物が大好きになったなどの経験はありませんか?実は、すべて私自身のことなんですが(笑)。
子どものころには、苦みなどを感じる味蕾が発達していたため、食べられなかったけれど、だんだん大人になるにつれて、味蕾が退化するのも原因のようです。味蕾が発達しているお子さまは、野菜についている農薬や野菜に使っている化学肥料の苦みなどに敏感に反応して、野菜が食べられないということもあるようです。
鳥の興味深い行動
味覚が発達しているのはお子さまだけではなく、実は動物たちも同様です。
ある方が、飼っている小鳥のエサ(緑餌)に小松菜を与えていたのですが、ある時実験をしてみられたそうです。2種類の小松菜を置き、どちらを食べるかという実験です。
一つはいわゆる低農薬と言われる小松菜、もう一つは有機農産物(オーガニック)の小松菜です。
小鳥はどちらの小松菜を食べたと思いますか?両方食べたのでしょうか?それとも両方食べなかったと思いますか?
小鳥は有機農産物(オーガニック)の小松菜しか食べなかったそうです。
鳥の味覚については次のような話もあります。
ある農場で、ぶどうを栽培していました。そこでは、ホルモン剤処理した種無しぶどうと本来の種ありのぶどうの2種類あったのですが、そこに飛んでくる鳥たちは、種ありのぶどうしか食べないのだそうです。
これは味覚というか本能というか分かりませんが、ホルモン剤処理をすることが何か自然に沿ったものではないと、感じるのかもしれませんね。
オーガニック野菜は簡単且つ、子どもが喜ぶ野菜
小さいお子さまは、こういった動物たちと同じく直観や本能に沿って生きています。味覚も鋭敏です。
そのため子どもが野菜を食べないというのは、我儘からではなく、本能的に食べない方がよいと感じている可能性もあるなあと私は考えています。
野菜嫌いと言われるお子さまに、オーガニックの野菜を与えたら「野菜をとても喜んで食べるようになりました」という声は何度も耳にしているのです。
例えば、人参
・ピーマン などはお子さまが嫌いという野菜の代表選手。ですが、なぜかオーガニックの人参やピーマンは「美味しい!」と笑顔で食べてくれるお子さまが多いようです。最後に1つ、オーガニック野菜を手に入れた場合は、味付けは最小限に抑えてみてください。オーガニック野菜の素材の味を好むお子さまが多いです。
【料理例
】・人参:塩をひとつまみ振ってそのまま蒸すのがおすすめです。
・ピーマン:食べやすく切って、なたね油でしんなりするまで炒め、醤油とみりんを少し混ぜて弱火で蓋をしてしばらく蒸し焼きに。
・セロリ:スティックに切ってマヨネーズを付けるだけで本当に美味しく食べられます。
・小松菜:生で細かく切って、塩もみしてぎゅっと水気を絞り炊き立てのご飯に混ぜてあげるととーっても美味しい菜飯の出来上がり。
お子さまもきっとぱくぱく食べてくれると思いますよ。是非試して頂きたいです。
こういった食べ方は料理というほどではないけれど、簡単で誰でもできて、しかもやってみた方から「美味しかったです」「子どもも喜んで食べました!」とご報告を受けております(笑)
オーガニック野菜をお試しください
絶対とは言いませんが、野菜が嫌いなお子さまに試してみたら、もしかしたら「野菜って美味しいね」とお子さまの笑顔がかえってくるかもしれません。
今回紹介した簡単な料理はオーガニックの野菜だからできること。素材の味がよいからできる食べ方なのです。
まだオーガニックの野菜を味わったことがない方はまずはご自身でぜひ試しみてくださいね。
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