有機じゃがいもは芽が出ます!じゃがいもの放射線照射、ご存知ですか?

芽が出た有機じゃがいも

有機野菜のことで実は知って頂きたいなぁということがいくつかあります。今日はその中でも「じゃがいも」についてお伝えします。

目次

じゃがいもの芽のこと

 毎年春先になると、取り扱っているじゃがいもに小さな芽が出てきます。加えて表面がしわっと皺が寄ってきます。この季節に時々ご指摘があるのが、「芽の出かかっているじゃがいもを売るんですか?」とか「古いじゃがいもを出さないでください」というお声。

芽の出かかっているじゃがいもを売るんですか?

古いじゃがいもを出さないでください。

「春先のじゃがいもの芽」についてお話していきたいと思います。

じゃがいもは、秋掘りのものと春堀りのものがあります。秋に収穫したものは、春の新じゃがいもが出るまで、野菜の倉庫(もちろん適温にしてあります)に保管して順次出荷していきます。春先になると保管していたじゃがいも達は少しずつ目を覚まし、成長しようとし始めます。

じゃがいもが成長しようとする影響で、芽が出てきたり、表面の水分量が少なくなってきたりします。

じゃがいもの芽には、ソラニンという物質が含まれています。これは人間には毒となる成分なので、じゃがいもに芽が出ていたら取り除くというのは意味があるのですね。

余談ですが、毒があるのはじゃがいもの芽に限ったことではありません。植物は種子に毒を持っているものが多いです。
例えば青梅の中の種。この種の中にはアミグダリンという物質が含まれ、食べると中毒症状を起こしてしまうほど強力な毒性があります。アミグダリンは、梅以外にもアンズや桃、すもも、ビワ、アーモンド(ハタンキョウ)など、バラ科サクラ属植物の、果実や種に多く含まれている物質です。(実が熟すと、毒性は消えますので、熟した実の種は食べても大丈夫です)。
このような種子や芽の毒は、その植物が子孫を残すために身(実)を守るための防御反応で出来ていると言えますね。

話を元に戻します。じゃがいもが芽を出すことや、芽に毒が含まれていることは、自然の摂理に則っていることです。

春先に芽が出てくるのは人間にとっては「芽を取らないといけない」という不都合なものかもしれませんが、じゃがいもにとっては種の保存の意味では当たり前のことなのですね。

有機じゃがいもから春先に芽が出てくるのは、自然のことで特に古いものを出荷している訳ではないということなのです。

「でも」とそこで声が聞こえてきそうです。

スーパーのじゃがいもは芽も出てないし、皺もなくて綺麗なんだけど、なぜ?

じゃがいもは放射線照射で芽止めされている

実は、一般的に流通しているじゃがいもは、芽が出ないように放射線照射をされているものが多いのです。

日本では食品衛生法に基づき、『原則として食品に放射線を照射してはならない』こととなっていますが、じゃがいも(ばれいしょ)については、例外として発芽防止(芽止め)の目的でコバルト60という放射線を照射することが認められています。現在、北海道にある専用の施設で、放射線によるじゃがいもの芽止めが行われています。

放射線を照射したじゃがいもには、その旨の表示が義務付けられています。なお、じゃがいも以外の食品への照射は認められていません。

今のところ『放射線照射をしたじゃがいもを食べることによる健康被害はない』とされてはいます。

このことについて、私は「じゃがいもの成長を放射線によって人為的に止めているということではないか」と考えています。言葉を替えて言えば、「生きた状態のじゃがいもではなくして、流通させている」ということにもなるのではと思います。

本来は、自然からできた野菜は「生きた」もの。食べるということは植物の生命力を頂くということ。これが放射線照射によって「死んだ」ものとなっているとしたら、それを食べる私たちは生きた生命力を摂り入れることにはならないのではないかと私は考えています。

有機栽培(オーガニック)のじゃがいもは、放射線照射しているの?

有機栽培(オーガニック)で流通しているじゃがいもは、放射線照射は認められていません。

そのため、有機じゃがいもには春先になると次の命を繋ぐために芽が出てきます。じゃがいもが元気に生きている証拠ですね。

また、有機じゃがいもは表面に皺が寄ります。これは表面の水分が少しずつ抜けていくからです。

「じゃがいもの表面に皺ができる」ことはある意味「内部に旨味をためている」ことに繋がります。

このように表面に皺が寄った有機のじゃがいもは、味が非常によくて、それを知っている方はこの季節の皺っぽいじゃがいもを楽しみにされているくらいなのです。

じゃがいもに限らず、私達が当たり前のように見た目の綺麗な状態のお野菜を買えるのは、もしかしたら「自然」の状態からは外れていることなのかもしれませんね。

今の野菜の流通はとても便利で感謝しているけれど、みんなが自分の便利さのことだけではなく、その野菜がどこでどのように作られているのかということにも想いを馳せることができると、野菜の見え方が少し変わってくるかもしれません。

活き活きとした子ども

野菜の生命力を
いただく』

という考え方

有機栽培の野菜を食べることは、単に栄養素を摂取するということではなく、野菜の生きた「生命力」をいただくことでもあると考えています。

その考え方でいくと、簡単にレンチンが流行りではありますが、もしかしたら、レンチンも「生命力」を頂くという観点からするとちょっと違う方向にあるのかもしれません。

近年、活き活きとした子ども達の顔が少なくなっていると感じるのは私だけでしょうか。私達の生命力を高めるためにも、活き活きした顔の子ども達を増やすためにも、野菜や食材から「生命力」をいただくという考え方をしてみると、調理方法を見直してみたくなる方も多くなるかもしれませんね。

生きた「有機のじゃがいも」から生命力をもらう

今回は、有機のじゃがいもを通して自然の状態のこと、生命力をいただくということなどについてお話しました。食べ物全般が「生きた」状態のものがたくさん流通するようになって、それを選ぶ人が増えれば増えるほど、生命力に満ちた活き活きした子ども達や大人が増えるのではないかと思っています。

そいういう意味でも有機栽培(オーガニック)の農産物がもっともっと当たり前の世の中になれば良いなあと思います。

まだ、有機栽培(オーガニック)のものに触れたことのない方はこの機会に一度オーガニックに触れてみて頂きたいですね。

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